江戸美学研究会|「江戸のデザイン」と「江戸の生活文化」を研究するクラブ「エビケン」です。

ぶろぐ

江美研寺子屋スペシャル「もっと気楽に!歌舞伎入門-3」


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「よりどりみどりのプログラム その二」
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「世話物」とはどのような演目ですか。

世話物は、江戸時代における現代劇です。恋愛事件、心中事件、殺人事件などの実際に起きた出来事から題材をとったものが多いです。いつの時代も何か事件があれば知りたくなるのが人情です。テレビもラジオもない時代ですから、当時歌舞伎は庶民にとってニュースショー、ワイドショーでもあったんです。

代表的な演目はなんですか。

世話物の二大作者と言えば鶴屋南北(つるやなんぼく)と河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)です。南北の代表作は、お岩さんでおなじみの『東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)』。
南北は、極悪非道の悪人を書かせたら天下一品です。ここに登場する民谷伊右衛門、これが悪い奴でして、伊右衛門は塩谷家の元家臣で浪人の身。お岩と結婚したが、お岩は産後の肥立ちが悪く病に伏せっている。伊右衛門はそんなお岩が煩わしい。そこへ高師直の家臣 伊藤喜兵衛から孫娘の婿に、という話がくると、お岩に妙薬と偽って毒薬を飲ませる。そうとは知らずに薬を飲んだお岩は醜い顔になって死んでいく。そして伊右衛門へ恨みを晴らすために亡霊となって復讐する、といった話です。

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世話物はどのような特徴があるのでしょうか。

傘張りしている場面や、煙管(きせる)を使う場面など当時の暮らしや風俗を楽しめるのも世話物の魅力ですね。吉原の風情を見られるのも今や歌舞伎ぐらいしかありません。また、世話物は時代物と比べると描写が写実的ですから、とっつきやすいと思います。
河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)の代表作は、前の項でも触れた白浪五人男でおなじみの『青砥稿花紅彩画(あおとぞうし はなの にしきえ)』です。黙阿弥は幕末から明治にかけて歌舞伎界で活躍した作家で、生涯360本ぐらい書いているんです。黙阿弥の芝居の特徴は、江戸情緒溢れるところと、七五調のせりふです。「知らざぁ言って聞かせやしょう」「問われて名乗るもおこがましいが」「こいつぁ春から縁起がいいわえ」など、歌舞伎ファンでなくても一度は耳にしたことがあると思います。歌舞伎を初めて見る方には、世話物をおすすめしたいですね。

 

塚田圭一(つかだ・けいいち)
学生時代から歌舞伎にいそしむ。その後、菊五郎劇団を経て、フジテレビ開局時に入社。平成中村座の2004年ニューヨーク公演から実行委員長。現在、歌舞伎のイヤホンガイドを務める。花道会代表。
■花道会
歌舞伎愛好会、歌舞伎研究会として歌舞伎の初心者から通まで、誰もが楽しめる会です。ご贔屓の俳優さん、観劇の感想など語り合える場を作りませんか。
http://hanamichikai.jp/index.html
■イヤホンガイド
イヤホンガイドは、音声の「同時解説」で舞台の進行に合わせてあらすじ・配役・衣裳・道具・歌舞伎・文楽の独特な約束事などを、タイミングよく、楽しくご説明いたします! 歌舞伎、文楽初心者の方には必需品です。歌舞伎ツウの方にもイヤホンガイドファンが多く、ご愛好いただいております。
http://www.eg-gm.jp/e_guide/

 

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