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江美研寺子屋スペシャル「もっと気楽に!歌舞伎入門-2」


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「よりどりみどりのプログラム その一」
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歌舞伎の演目にはどのような種類がありますか。

歌舞伎の演目は「時代物」「世話物」「新歌舞伎」「所作事」の4つに大別できます。歌舞伎のプログラムは通常、これらの演目を組み合わせて構成されています。全幕を通して演じる「通し狂言」も年に数回ありますが、現在ではほとんどが名場面の一、二幕の演目を組み合わせたものになっています。よりどりみどりという意味で「みどり狂言」とも称します。
例えば演目プログラムは、
1. 時代物 2.所作事 3.世話物 4.所作事 といったように、観客のみなさんがいろいろ楽しめるように構成されているんです。

「時代物」とはどのような演目ですか。

時代物というのは、平安時代や室町時代など、江戸時代からみた時代劇です。ですから大名家のお家騒動もの、公家社会の話が多いですね。
時代物の三大代表作と言えば、『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』、『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』、『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』。
登場人物では、源義経、四十七士、菅原道真が三大スターです。 義経は偉功を上げながらも追われる身となった悲運の人物で、特に人気がありました。昔の記録をみると、客の入りが良くないっていうと、筋書きに関係ない芝居にも義経の格好をした役者が出てくるぐらい。「義経おん出給いしが、さしたる用事も無かりせば、奥の間にこそ入りにける」なんて義太夫に語らせて、義経がすーっと出てきて、何もせずにすーっと引っ込むという話も残っているんです。

四十七士は人気があったんですね。

『仮名手本忠臣蔵』は、江戸時代に起きた元禄赤穂事件を題材にしています。苦労を重ねて主君 浅野内匠頭の仇討ちを果たした、大石内蔵助をはじめとする四十七士はスーパースターだったんです。
江戸時代の事件が題材なのになぜ「時代物」かというと、江戸時代は幕府で起きた事件を上演することが許されない時代でした。そこで劇場側は『仮名手本忠臣蔵』の時代設定を鎌倉時代に変えて、登場人物の名前も大石内蔵助を大星由良助、吉良上野介を高師直、浅野内匠頭を塩治判官といったように変えたんです。

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もう一人は学問の神様 菅原道真ですね。

『菅原伝授手習鑑』は、政敵 藤原時平によって島流しにされた菅原道真を題材にしています。菅丞相(道真)と菅丞相に仕えた白太夫の三つ子の兄弟松王丸、梅王丸、桜丸たちの生き様を中心とした物語です。 『菅原伝授手習鑑』には「寺子屋の場」がありますが、道真の時代に寺子屋はありません。このように史実と異なることは歌舞伎にはあるんです。歌舞伎はあくまでも歴史の事実をもとに脚色したフィクションとして楽しんでいただきたいですね。
時代物は平安、室町時代など古い時代の話ですが、江戸時代に上演され、江戸時代の観客に受け入れられてきたものです。ですから江戸時代の感性で作られているのも面白いところです。最初はとっつきにくいかもしれませんが、観れば観るほど惹きつけられるのも時代物です。


塚田圭一(つかだ・けいいち)
学生時代から歌舞伎にいそしむ。その後、菊五郎劇団を経て、フジテレビ開局時に入社。平成中村座の2004年ニューヨーク公演から実行委員長。現在、歌舞伎のイヤホンガイドを務める。花道会代表。
■花道会
歌舞伎愛好会、歌舞伎研究会として歌舞伎の初心者から通まで、誰もが楽しめる会です。ご贔屓の俳優さん、観劇の感想など語り合える場を作りませんか。
http://hanamichikai.jp/index.html
■イヤホンガイド
イヤホンガイドは、音声の「同時解説」で舞台の進行に合わせてあらすじ・配役・衣裳・道具・歌舞伎・文楽の独特な約束事などを、タイミングよく、楽しくご説明いたします! 歌舞伎、文楽初心者の方には必需品です。歌舞伎ツウの方にもイヤホンガイドファンが多く、ご愛好いただいております。
http://www.eg-gm.jp/e_guide/

 

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